ご当地美術館生かして 新居浜で藻谷さん講演
あかがねミュージアムの開館を記念し、「里山資本主義」などで知られる藻谷浩介氏(51)=日本総合研究所主席研究員=の講演会が20日、愛媛県新居浜市坂井町2丁目の同館であり、高校生や市民約100人を前に、ミュージアムをどう育てていくかや、市の人口減少対策について語った。
藻谷氏は地元作家の作品を中心に収集した美術館や太鼓台コーナーなどを挙げ「美術・芸術活動が盛んな『ご当地ならではの、ここにしかない場所』ができた」と評価。地域活性化について「地域資源を『当たり前』でなく『有難(ありがた)い』と受け止める地域だけが残る。ここにしかないものを自覚し、生かしてほしい」と呼び掛けた。
25年後の同市の人口見通しを「15~64歳の現役世代は約30%減少するが、東京や松山に比べて減少率は比較的緩やか。高齢者はほとんど増加せず、県内の自治体で最も恵まれた状況」と分析。「地域内で循環するマネーが増えれば、雇用と若者も増える。6次産業化や子育て支援、地産地消に力を入れて」と述べた。